出典:怪物事変 コミックス13巻より
コミックス第13巻は2021年2月に発売されました。
この巻では、屋島での紺VS花楓の戦闘や紺の幼き日の過去が描かれています。屋島を襲撃しに来た赤城と花楓に対して逃げ回る狸たち、そこに記憶を取り戻して覚醒した紺が現れます。一方、夏羽・織・晶はまだ修行の最中で、屋島襲撃を知った隠神たちは屋島へ向かうことに。屋島での戦いが新たに幕を開けます。
怪物事変の単行本12巻の感想・ネタバレはこちら↓↓
このページでは怪物事変のコミックス第13巻の感想やネタバレを紹介しています。
《13巻の裏表紙の説明文》
あの日、幼き狐の子にとっての〝いい子〟とはなんだったのか―――。伊予姫の父・多郎太の力によって作られた空間内で修行する夏羽たち。その間、隠神のもとを訪れた野火丸が語るは、狐の屋島襲撃と任務阻止の協力でございました。しかし、知らせよりも早く予期せぬ不穏な影が迫っておりました。それは美しくも残酷な炎で……。
出典:TVアニメ『怪物事変』公式サイトより
『怪物事変』はジャンプスクエア2017年1月号から連載中の藍本松さんによる漫画作品。
2021年1月から3月までTVアニメが放送されました。
このページでは怪物事変についてまとめています。
※ネタバレ情報あり
登場人物
・夏羽(かばね)
・隠神(いぬがみ)
・野火丸(のびまる)
・紺(こん)
・赤城(あかぎ)
・花楓(かえで)
・おいなさま
・全吉(ぜんきち)
・太三郎(たさぶろう)
《出張版》
・伊藤 優芽子(いとう ゆめこ)
・不破 音符(ふわ どれみ)
・樹木子(ジュボッコ)
収録話
『48. 照紅葉』
島根県で村を失った大蛇の一族のいちごと環は屋島の狸たちの元に来ていました。
外での大きな花火のような音に気づき、そこでいちごは島根県での出来事を思い出します。
隠神たちは野火丸から屋島襲撃の話を聞きます。屋島の襲撃に反対だった野火丸は隠神たちと一緒に阻止しようと考えていました。
出典:怪物事変 コミックス13巻より
その頃、周りを燃やして順調に作戦を遂行していく赤城と花楓。
赤城は過去の自分を思い出していました。子供の頃から潔癖症という症状に悩んでいたこと、社会人になって野火丸と出会ったこと、警視庁に入ってパートナーの花楓との出会ったこと、そして花楓の出す〝炎〟に一目で心を奪われたこと。
出典:怪物事変 コミックス13巻より
炎を出して大暴れする花楓。建物は崩壊していき、パニックになり逃げ回る狸たち。
いちごも環を抱えて狸たちと一緒に逃げ、村で起きた出来事が頭の中で蘇ります。その時、目の前で建物が壊れて奥から花楓が現れます。
絶体絶命の状況でしたが、そこにある人物が現れます。
花楓「おっ いたいた! タヌキじゃねーニオイ!」
紺「そうだな 狐のにおいだろう お前と同胞だ」
花楓の前にあったのは復活を遂げた紺の姿でした。
『49. 覚醒』
紺の回想シーンから始まり、療養中で寝たきりの紺は夏羽に話しかけられます。
夏羽の言葉を聞き、どこかで聞いた言葉だと感じる紺は過去の記憶が蘇ります。
場面は屋島に戻り、紺は狸たちに逃げるように言います。
出典:怪物事変 コミックス13巻より
逃げる狸たちに攻撃する花楓ですがその攻撃は紺によって防がれます。
過去の記憶を取り戻して覚醒した紺は、花楓に向かっていき、紺の幼少期の回想シーンが始まります。
紺「おいなさま!」
おいなさま「紺」
おいなさま「あんまりここへ遊びに来ちゃいけない おまえはまだ小さい」
紺は、おいなさまという狐が大好きでした。
紺は那須という地で生まれた石鎮の一族。兄弟の中では一番年下で、失敗ばかりでいつも叱られていた紺。紺は家族の目を盗んでよくおいなさまに会いに行ってました。おいなさまは那須の地で最も強い身体を持つ〝生稲〟と呼ばれる狐で、生稲は那須に生きる狐のさだめであり誉れであると言われていました。生稲は殺生石と呼ばれる石に座り、気を受け止めて身体に溜まって石と同化ます。
おいなさまは紺といろいろな話をしましたが、紺には難しくてわからないこともたくさんありました。
殺生石の本当の名は『妖結石』。
生稲はやがて身体が毒におかされ、死んでしまいます。
おいなさまの身体も同じように毒の塊となってしまい、身体は小さくなり、元気もなくなってしまいます。なんとかしておいなさまの状態を治せないか考えて山中を駆け回る紺。しかし解決策は見つからないまま…。
結局、紺はおいなさまのところへ戻ることになりますが、そこで血のにおいに気づきます。
急いでおいなさまの元へ走る紺ですが、そこで紺が見たのはおいなさまを食べている一匹の狐。その狐は紺の目の前でおいなさまを石ごと飲み込んで、狐の姿から人間の姿に戻りました。その人物の正体は飯生。
呆然とする紺に飯生は気づきます。
飯生「…… おまえ……」
おいなさま『(紺 逃げなさい)』
飯生「そう 紺というの? 石鎮の喰い損ねか……」
紺はピクリとも動かず飯生を見上げていました。そんな紺を捕まえて暗示をかける飯生。
飯生「紺 よくお聞き 生稲はわたし わたしは――飯生 一緒においで おまえはわたしの召使にしてあげようね」
紺「…い な…… さま……」
出典:怪物事変 コミックス13巻より
紺の幼少期の回想シーンが終わります。紺は療養中で寝たきりだった時に夏羽にかけられた言葉で過去の記憶が思い出されました。
夏羽「紺は……飯生さんの考えるいい子じゃないかもしれない でも…」
おいなさま「いいかい紺 世の中はいいことと悪いことだけに分かれてはいない」
夏羽「紺がいい子かどうかは俺にもわからない 紺にしかわからない だから」
おいなさま「おまえがいい子かどうかを他人に決めさせてはいけない」
夏羽「俺は 紺がいいと思うならいいと思う」
おいなさま「おまえはおまえの信じるいい子になりなさい」
場面は屋島に戻り、花楓と戦う紺。
那須の殺生石の邪気を浴びた紺の噛みつきで、花楓は右腕を爆破させられました。
その頃、隠神たちは屋島に行く準備をしていました。
隠神は福姫に、修行中の夏羽に〝あれ〟を教えてほしいと頼みます。
再び場面は屋島に戻り、紺と花楓の戦いは紺を強敵だと見なした花楓は硬貨を取り出して、赤城との連携『紅蓮兵稲荷』という幻と炎が合わさった技を出します。
『50. 使命』
修行のため多郎太の時渡しの空間にいる夏羽・織・晶の元に福姫が現れます。
福姫は夏羽たちの師をつとめることになり、夏羽たちの修行が再開されます。
屋島では襲撃のことを知らない伊予姫・綾・組が屋島寺の部屋の中で遊んでいました。
紺の様子を見に綾は部屋から出ようとしますが、そこに全吉が現れます。伊予姫はいつのと様子が違う全吉を見て心配します。
太三郎との会話を思い出す全吉。
太三郎「狸も人も……この地に生きる命すべて このわしが守りきる 傷ついた屋島を伊予ちゃんに見せる必要はない ……それだけのことじゃ」
全吉「伊予は…屋島が大好きなんですよ……! あなたが…皆それでよくても! 自分だけ何にも知らないで…傷つかなくていいなんて……思うわけないでしょう!!」
太三郎「従者と 姫 は違う」
出典:怪物事変 コミックス13巻より
全吉は伊予姫を心配させないように配慮します。
—紺VS花楓—
花楓の出した幻と炎を使う連携技・紅蓮兵稲荷の攻撃で危機に陥る紺。
爆発にあって紺は負傷します。
倒れた紺が目を開けて前を見ると、そこには人間の姿が。周りの建物は綺麗なままで、火はなく、花楓の姿もありません。
何が起きたのか混乱する紺。
一方、赤城の前には四国屋島の総大将・太三郎が現れます。
出典:怪物事変 コミックス13巻より
太三郎「おぬしらにはこの屋島と共に炎に沈んでもらう 孫が泣いてしまうのでな」
怪物事変⓭(完)
『出張版 怪物事変』
ある女子高生が大木下通りという場所で、木の上から鉄骨が落ちてきたところを夏羽に助けられます。
女子高生の名前は伊藤優芽子。彼女は昨日のことを友達の不破音符に話し、2人は帰り道にその現場にやってきます。
出典:怪物事変 コミックス13巻より
しかし、そこは特に変わった様子がある場所ではありません。周りには建物や木があるだけ。優芽子は自分が不思議な体験をしたのだと思い、音符と別れたあと昨日のことは忘れようと考えて帰ろうとしますが、その帰りに偶然、友人の晶と一緒に歩いている夏羽を目撃してしまいます。
優芽子は夏羽たちを尾行して隠神探偵事務所にやってきます。隠れながら部屋の奥から中の様子を覗く優芽子。隠神は夏羽たちに昨日の大下木下通りの事件について話していました。事件の犯人は〝樹木子〟という自身の枝や葉を変化させてそれを落として生き物を殺す木の怪物。しかし今までは人間が死んだ記録はなく、その女子高生めがけて鉄骨を落とす樹木子に、隠神はその女子高生が樹木子に対して何かをしたのかもしれないと話します。
それを聞いていた優芽子は『自分は何もしていない』と、つい隠神たちの前に出てしまいます。
優芽子は夏羽と一緒に事件の調査に行くことになりました。
現場についた2人。
夏羽は優芽子を安全な場所に待機させて、鉄骨を落とした木に話しかけます。
夏羽「こんばんは あの人に対して強い感情はありますか? あったら何か落としてください」
夏羽の頭上からは大量のヘビが落ちてきました。
ヘビに襲われる夏羽を見て優芽子は助けに入りますが、そこで夏羽は優芽子がなぜ昨日襲われたのか気付きます。優芽子の着ていた服はヘビの絵が描いてある服でした。
出典:怪物事変 コミックス13巻より
その後、夏羽は事件を解決します。
樹木子は毎年自分の元にいろんな鳥が巣をつくりに来て、樹木子はそれをとても楽しみにしています。しかし最近になって近くに引っ越してきた人がたくさん飼っているヘビを時々放してしまって、卵を食べられてしまうため、樹木子はとにかくヘビが嫌いでした。
翌日、学校が終わり優芽子は音符と一緒に帰ります。
怪物屋の活躍で事件は無事解決しました。
出張版 怪物事変(完)
感想
13巻は本編+出張版ということで、本編は屋島での戦いが熱くなってきています。花楓が強い。狸たちのピンチに覚醒した紺が現れたおかげで狸たちはなんとか逃げることができました。
紺は久しぶりの登場でしたがここで紺の過去が明らかに。エグい過去…。実はそうとう悲惨だったという…。
今まで慕っていた人物が、故郷をめちゃくちゃにしてさらに自分を洗脳した張本人だったとは。飯生の悪役感がやばい…。今までアホっぽくてかわいいキャラの紺でしたが過去編を見てちょっとかわいそうになりました。夏羽に出会えて本当によかったと思います。
おいなさまが優しくて良いキャラでした。夏羽とおいなさまの言葉がリンクする場面が良かったです。
太三郎がついに動き出すことになりましたが、屋島の総大将としてやっぱり頼れる存在ですね。全吉に言った言葉は伊予姫のためを思ってのことだったのでしょうが深い言葉です。太三郎のおじいちゃん最後の登場がかっこよかったです。
今回は夏羽たち主人公サイドはあまり出番がなく、夏羽たちの修行の成果や野火丸の言動など気になるところもまだまだありますが、次巻でまた動きがあることでしょう。
出張版もおもしろかったです。怪物事変は事務所の依頼をこなす話や日常回もおもしろいですね。
見どころ
・紺の過去
・太三郎が全吉に姫と従者について話すシーン
口コミ
「紺が洗脳から解かれてその原因が飯生だったと言うのがわかった」「花楓が強すぎ」「夏羽・織・晶は出番があまりなくて物足りなかった」「屋島を守る太三郎が本領発揮」「おいなさまの言葉が非常に印象的だった」「野火丸が訳ありで言動が気になる」など
まとめ
・紺の過去が明らかになる
・紺VS花楓
・怪物事変出張版が掲載
怪物事変13巻では記憶を取り戻して覚醒した紺、連携を覚えてパワーアップ花楓、屋島が襲撃によって大ピンチなどが描かれ、戦いの舞台は屋島になってさらに面白くなってきています。
紺は過去が判明して「那須」という地で育った狐ということでした。紺は本当の敵が分かり、これからは夏羽サイドとして活躍していくでしょう。
赤城と花楓は屋島で暴れていますが、隠神や野火丸、修行中の夏羽たちはまだいない状況です。
太三郎や紺が赤城と花楓の相手をしてますが、14巻ではまた屋島での戦闘シーンが見れそうです。
怪物事変の単行本14巻の感想・ネタバレはこちら↓↓
今回は怪物事変の単行本13巻についてまとめました。
質問や感想などがある場合には下のコメント欄かページ下の管理者情報にあるメールアドレスからご連絡ください。よろしくお願いします。